塾式COSMO

  たくさん勉強をして、たくさん知識を詰め込んでも、自分の経験や考え方をしっかり持っていないと、その知識は誤った使い方をしてしまうものです。

 学問を修め、優秀な大学を卒業し、一見素晴らしいエリートコースを歩んでいても、その知識を犯罪のために悪用してしまう・・・。そういったニュースを見ていると、「もったいない・・・、きっとこの人はいい師にめぐり会わなかったのだな」と思います。

 私は大学を卒業した後、8年間障害者福祉の仕事にたずさわってきました。特にそこで、私は素晴らしい「人生の師」と呼べる方々と出会うことが出来たと思います。

大学を出て経験もそこそこの私が、うぬぼれて仕事をしていたころでした。

「他人から学ぼうと思えなくなったとき、私はこの仕事を辞めるときだと思っています」と、私に諭すように話をしてくださった方がいました。仕事もベテランの域に達している大先輩の言葉でした。私は金槌で殴られたような、強い衝撃を受けました。「うぬぼれて仕事をしてはいけない」そう気付かされた一場面でした。

 江戸時代の教育者、渡辺其寧が「続女大学」の中で言っています。

「弟子が上達しない場合は、自らの書が未熟で指導方法も行き届かないことは言わずに、弟子の不器用や無精を批判する師匠が多い」と。

私は、今塾講師として、誇りを持って仕事をさせていただいています。

うぬぼれることなく、常にまわりから「教えていただく」、子ども達からも「学ばせてもらう」そういう態度を忘れないようにと心がけているつもりです。

 また、子ども達にも伝えて行きたいと思います。

「わが智に自慢して誇ることなかれ、われに誇れば必ずわが智を失う」(貝原益軒「五常訓」)

自分の智におぼれ、うぬぼれると、学んだ知識の使い道を誤ってしまいます。

自分の未熟さを常に反省し、学ぼう、知識を得よう、理解しよう、考えよう、その繰り返しが学問です。学校の友だちより問題が早くできたから、といって学問を怠り、人を見下す態度しかとれないようならば、友だちも知らず知らずに離れていってしまいますからね。