たくさん勉強をして、たくさん知識を詰め込んでも、自分の経験や考え方をしっかり持っていないと、その知識は誤った使い方をしてしまうものです。
大学を出て経験もそこそこの私が、うぬぼれて仕事をしていたころでした。
「他人から学ぼうと思えなくなったとき、私はこの仕事を辞めるときだと思っています」と、私に諭すように話をしてくださった方がいました。仕事もベテランの域に達している大先輩の言葉でした。私は金槌で殴られたような、強い衝撃を受けました。「うぬぼれて仕事をしてはいけない」そう気付かされた一場面でした。
「弟子が上達しない場合は、自らの書が未熟で指導方法も行き届かないことは言わずに、弟子の不器用や無精を批判する師匠が多い」と。
私は、今塾講師として、誇りを持って仕事をさせていただいています。
うぬぼれることなく、常にまわりから「教えていただく」、子ども達からも「学ばせてもらう」そういう態度を忘れないようにと心がけているつもりです。
「わが智に自慢して誇ることなかれ、われに誇れば必ずわが智を失う」(貝原益軒「五常訓」)
自分の智におぼれ、うぬぼれると、学んだ知識の使い道を誤ってしまいます。
自分の未熟さを常に反省し、学ぼう、知識を得よう、理解しよう、考えよう、その繰り返しが学問です。学校の友だちより問題が早くできたから、といって学問を怠り、人を見下す態度しかとれないようならば、友だちも知らず知らずに離れていってしまいますからね。