先日、一気に読み終えた本がありました。
「アンネ・フランクの記憶」という、以前に読んだ「アンネの日記」によく似た、紛らわしい題名のこの本。
とても気になって、買ってしまいました。
著者はあの「博士の愛した数式」を書いた、小川洋子さん。
内容は、ヒットラー率いるナチスに追われ、隠れ家で身を潜め、最後にはつかまって収容所で短い生涯を終えた、あのアンネ・フランクの足跡をたどって、旅をした著者の紀行文です。
紀行文というものは、ふつう著者の趣味が目立つことが多く、あまり期待をせず、読みすすめました。
しかし、読み終えたら、自分がドイツ、ポーランド、アムステルダムと、ともにアンネ・フランクの足跡を旅して帰って来たような、なんとも重苦しい、そしてやり遂げた達成感のようなものを感じて、しばらく現実に戻るのが難しく感じるほどでした。
この本で、改めてアンネは実在し、あの悲劇は本当にあったのだと感じました。
また、この本の中で、著者がアンネの家族と親しく付き合ってきた人物と出会い、話を聞いています。著者ははじめ、アンネのことが知りたくて、たくさんの質問を投げかけますが、途中から「本人にとっては、本当は思い出したくないつらいできごとである」ことに気づき、ことばを失ってしまうシーンがあります。
戦争の悲劇を言葉どおり受け止めるのでなく、相手の体験を通して謙虚に受けとめていこうとする著者のまっすぐな姿勢にも好感を持つことのできた本でした。
算数のクラスでも、ふだんから子ども達には「伝記」を読むことをお薦めしています。
多くの偉人達がのこした言葉や行動は、子ども達に多くの夢を与えるものです。
夢はすべての原動力になります。
充分に動機を持っている子なら、どんな状況に陥っても、自分が決めた目標に向かって努力し続けることがでるものです。
夢を持ち、努力を惜しまない、そんな子ども達になって欲しいと日々願っています。
最後に、わがクラスでは自由ノートなるものを、作っています。
子ども達が自由に使えるノートです。間違えた問題を書き残したり、質問があったらメモしておいたり、気分は先生との交換日記ですね。
中には、算数とは関係の無いことも書いたりします。
先週、4年生のTくんが私に質問を書いてきてくれました。
「先生がオリンピックで心にのこったことはなんでしたか?」・・・というもの。
ふだんは、恥ずかしがり屋なTくんですが。最近は授業中も意欲満々で、たくさん質問をしてくれるようになりました。Tくんのように、もっとやりたい、もっとがんばりたい、そういう子どもの意欲を大きな実りに変えられるよう、有意義な授業づくりに努力して行きたいと思っています。