読み解き算数(小学2年生~4年生)の授業のなかで、「いいわけ禁止令」を出してから一週間がたちましたが、早くも子ども達の態度に変化が現れてきたようです。
最年少のHちゃんが、「先生、学校のお友だちのTくんが言い訳してたよ」といいます。よく聞いてみると、その友だちは自分の失敗をまわりのせいにしていたようです。
Hちゃんにそのお友だちのことを聞いてみると「かっこ悪かった」というのです。
まだまだ、自分のことより、友だちのことが目に付くようですね。でも、「かっこ悪い」と思ったことは、自分ではしないように努力をするものです。先週お話したことを、胸に刻んでいてくれたこと、とても嬉しく思いました。
今回の授業では、「言い訳をしないかっこいい人」を紹介しました。「五体不満足」の著者、乙武洋匡さんです。ご存知の方もいますね。両手両足がなくても、学校へ行き、たくさんの友だちに囲まれ、誰よりも努力して早稲田大学を卒業、今は小学校の教師をしています。
もし彼が言い訳ばかりしていたら、こんなに立派になっていたでしょうか?
「足が無いから・・・」「手が無いから・・・」そういって努力をせずに、まわりが手を貸してくれるのを待っていたら、たぶん今の彼はいなかったでしょう。
彼の写真を見せて、子ども達は思い思いに胸に刻んでくれたと思います。
自分の持てる限りの力を発揮し、努力をすることで無理だとあきらめていたこともできるようになる。そのためにはいいわけばかりしていてはいけないんだ・・・。そう気付いてくれていたら嬉しいですね。
傾きかけていた経営を立て直した、日産のカルロス・ゴーン氏が、まず手始めに行ったのは、社内での「いいわけ」をなくすことだったと聞いています。
「いいわけ」は自分の中の反省点を見出そうとせず、人に責任を押し付ける結果につながります。
「いいわけ」せず、まずは自分の反省点をあぶりだす、そして改善する。この小さな積み重ねこそが、大きな成功を生み出すのだと思います。
読み解き算数、今年最後の授業で子ども達に投げかけたメッセージ。
一人一人が、新たな気持ちで新しい年を迎えてくれることを願っています。