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目指せマキァヴェリアン・・・佐藤

ルネサンス期イタリアの人文主義者ニッコロ・マキァヴェリ(1469~1527)は、自身の代表作『君主論』において、「君主に必要なものは、ライオンの威厳とキツネの狡猾さであり、それらを兼ね備えたものこそが理想的な君主である」と述べました。

※マキァヴェリはルネサンス期のイタリアの文化人の中でも最重要人物の一人。世界史選択の皆さんは代表作を含めて絶対押さえるべきです。加えて、彼が理想とした君主のモデルとなったチェーザレ・ボルジアという人物もまた面白い生涯を送った人物ですので、興味があったら調べてみてください笑

 

しかし、時は経って現代。彼が理想とした「ライオンの威厳とキツネの狡猾さ」の解釈のズレから、「目的のためなら手段を択ばないやり方」を、彼の名前を取ってこう言いました…

 

「マキァヴェリズム(権謀術数主義)」と!

 

 

このように、一般的にマキァヴェリズムという言葉は、お世辞にもプラスの意味を持っている言葉とは言えません。では、この言葉を何とかプラスの意味に捉えることはできないのでしょうか。

 

多少強引かもしれませんが、「目的のためなら手段を択ばない」ということはすなわち、「テストにおいてあらゆるところから解答のヒントを捕まえることができる」と解釈できると私は考えます。ここでいう「ライオンの威厳」とは「突きつけられた問題に対して自信をもって解答に臨むこと」となるでしょうか…。これはそれ以上でもそれ以下でもないので、あまり深掘りする必要はないでしょう。

 

問題は「キツネの狡猾さ」です。言うまでもないことですが、まず大前提としてテストにおいてカンニングなどの不正は厳禁です。そんな中でどのような方法で「狡猾さ」を発揮すべきなのでしょうか。考えてみてください。作問者は当然ながらその道のプロですが、彼らもあくまで人間です。作問の過程で、問題中に意図せずして解答のヒントをちりばめてしまうことも決してゼロではありません。あるいは意図的にヒントをちりばめることもあるでしょう。

このような、作問者が問題中に意図的に、ないし意図せずしてちりばめたヒント、「なぜこの問題文は、わざわざこのような書き方をしているのか」などの問題文の違和感、さらに授業外で培った予備知識など、ありとあらゆるものを決して軽視せず、抜け目なくテストで活用することができる力こそ「キツネの狡猾さ」なのではないかと思うのです。

 

何が言いたいかというと、マキァヴェリズム、そしてそれを実行する人であるマキァヴェリアンというのは、決して悪い側面だけではないということです。むしろ、これからの受験戦争においては、このようなマキァヴェリズム的な力に良い意味で優れ、意表を突き、人を出し抜く力を持っている人が有利になったりします。

 

決して「マキァヴェリアン」という言葉の辞書的な意味だけにとらわれないでください。そこには、受験生にとって効果的な考え方が眠っているわけですから…